1973年生まれのまる男は小学校1年の頃から、ある理由でプロも通うボクシングジムで学校以外、ボクシング漬けだった。そして、中学校、友達に誘われて野球部に入る。運動神経は怪物だけど、常識のだいぶずれた少年の物語である


「なにガンつけてんだ!こるぁー!」
「アァ!ヤンのか!コラァー!」
デパートのゲームセンターに怒声が響く。この時代ヤンキーと呼ばれる人たちがいて学校に反抗し、あちこちでケンカをしていた。ヤンキー同士、各地、地方ルールで異なる部分はあるが仁義を守っていたのも特徴のひとつだ。殺し合いのない武闘派には信念が付きまとう。
2人のヤンキーはにらみ合いが続く。顔と顔は10㎝とない程に近づいている。今にもケンカは始まりそうだ。
緊迫感で周囲が息を飲む。

「キスするぞ。あれ」
小声で聞こえてきたこの声はまる男だ。片手にポテトチップスの袋もう片手でポテトチップスをつまむ。
「えー。あれがか?なわけねーじゃん」
角郎が小声で話す。
「だって。ガンつけてるって言ったじゃん。あなたと共に生きれる事を願いをつけますっていってるんだぜ。
あ。ポテチ。少し食う?」
まる男がポテトチップスの袋を角郎に差し出す。
「キスはしねぇー!」
ケンカを始めそうなヤンキー2人は2人でまる男を怒鳴る。
「いやいやいや。キスは死んじゃ。ダメだよ。俺まだした事ないし。死なれちゃ困るよ」
まる男は手を横に振る。
ヤンキーの少し背の低い方はもう困り顔だ。
「死ね。じゃない、しない。と言ったんだ」
「あ。すみません」
まる男は謝る。
「あそこの陰なら人目もつかないしキスにはうってつけか・・・」
「だから!キスはしねぇ!」
まる男の声が終わらない内に背の高いトサカ頭のヤンキーが怒鳴る。
「いやいやいや。だからキスは死なれちゃ困りますって」

30分以上続いたこの攻防
話しに夢中だったまる男を横目に
まる男のポテトチップスを全部食べ終えた角郎の「ありがとう」の言葉にヤンキーたちは、いたみいるばかりであった。

この後4人でラーメンを食べに行った。
勿論ヤンキー2人の奢りで、だ。
いつも通り、揉め事の後のまる男のルーティンだ。
あ。暴力は一切使ってませんよ。まる男80