今日も帰りの学活は滞りなく続いていた
男子の学級委員、縦吉が進める
そして、明菜の番だ
「では、皆から来た苦情を発表します
「黒田君が博多の鍋を私たちに食べさせてくれるって言ったのに。いつまで経っても食べさせてくれません。私たちは博多の鍋の説明を聞いて食べたくて仕方が無いのに知らんぷりです。それが凄く辛いです。どういう事でしょうか?」
3人の女子がそれぞれ蘭さん、美樹さん、好子さんが立ち、好子さんが発言した。
(はぁ、知らんし・・・)
他の全員の心の声だ
明菜はその雰囲気を察した。そして黒田君の顔を見る。
「しまった」という顔は教科書に載るとこんな顔だろうな。そんな表情だ
明菜は黒田君に言う
「では、その鍋の美味しい説明をもう一度ここでして下さい」
黒田君はキョロキョロした後3人の女の子たちを見、言った。
「若牛の小腸を使ったモツ鍋で脂が溶けにくい為、甘味と旨味のバランスが絶品です。皮も薄くてやわらかいので食感も最高!市場にはなかなか出回らない希少な1才から3才の牛の小腸のみを使ってます。さらにスープが濃厚みそ味、醬油味、塩味、麻辣味があって、どれも美味しいです。ただし、通販で買いました。店は博多で遠いのでです」
黒田君の鍋の説明で皆はつばを飲み込む。
で
明菜が皆んなに叫ぶ
「では、希望者を集めて鍋パーティーをしましょう。黒田君にお金を払い黒田君か親に頼んでもらいます。希望者は私に言って下さい」
「わーーー!!!」と教室はざわめく
明菜は家に帰ると長姉がチョコレートケーキを作って待っていた。色々飾りがあって凝ったケーキだ。どうやら感想言わなきゃいけない日の様だ。
(また小説が書けずに現実逃避したな)
思ったけど口には出さずにケーキを食べた後、感想を言った。自然とホメ言葉のオンパレードになる。辛党な明菜でも絶品なお菓子を作る。それが明菜の長姉なのだ。
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