誠十郎はルパン三世のテーマを口ずさみながら家路についていた
夕日が香るその日は秋風が心地よい
誠十郎は小指程度の大きさの石を前に蹴りながら歩いていた
小石は電柱に当たったり前に飛びすぎたりとなかなかコントロールが効かない
ラーメン屋の前で油と醤油の混ざる匂いに気を取られると小石蹴り遊びは終わった
前方を見ると男性が何やら下を向いて探している
面前の背中は誠十郎の父と違って横に大きい
悪魔ファルディア
「その背中を蹴っちまえ!そんで逃げようぜー」
天使プーカ
「頑張れー!って応援してやれ。ヤツはやる気になるぞ」
ファルディアは再び怒る
「だからー💢」
誠十郎はその男性に話しかけ一緒に男性のキーホルダーを探す
ファルディア「こいつ良いヤツだよな」
「えーつまんねーヤツじゃん。だから悪人だよ」プーカはファルディアに中指を立てた。
「?」
怒りもせずにファルディアは溜息だ

「これですか?」
誠十郎は男性にキーホルダーの持つ手を見せた
男性は感謝の言葉を述べ「ジュースでも奢るよ」と近くの自販機を指差した
2人で自販機の前に行き男性はお金を投入
「どれでも良いぞ」
ファルディア「一番高いヤツを買っちまえ!」
プーカ「怪しいぞ」
ファルディアはプーカを見る
そして男性を注視した
「何が怪しいんだ?普通のサラリーマンじゃねーか?」
プーカは自販機を指差し
「このあたたか~いは炭酸だぞ
そんで男のキーホルダーに女の子と一緒に写ったプリクラが付いてた」
ファルディアは男性の顔を睨む
「もしや・・・」
プーカ
「そうだ。この男の娘だろう」
ファルディア
「どこが怪しんだよ!それなら普通じゃねーか💢」
男性と別れて誠十郎はジュースを飲みながら歩き始めた
「ん?ちゃんと別れたぞ?誘拐じゃねーじゃねーか」
プーカは懐から天のコインを出すと自販機にコインを投入
ボタンを押した
ガタン
そしてジュースのプルトップを開け少し飲む
「まっじ。あったかい炭酸だ。やっぱりな」
💢
「テメー。誠十郎と離れちまったじゃねーか!話を真剣に聞いてやったのに・・・」
「???だから、怪しいどころか本当に温かい炭酸だっただろう?飲むか?」
プーカは不思議顔でファルディアにジュースを差し出した

(くそー💢
まーただまされた
もうだまされないと決めたのに・・・)
ファルディアは心の中で叫んだ

第1話「天使プーカとの出会い」
https://kurokoda64213.com/archives/25744634.html

第2話「天使の夜道」
https://kurokoda64213.com/archives/25767152.html

第3話「スパイする天使」
https://kurokoda64213.com/archives/25768305.html

第4話「プーカの正体」
https://kurokoda64213.com/archives/25843251.html

第5話「逢引き」
https://kurokoda64213.com/archives/25855711.html

第7話「スクールヴァルナの誠十郎」
https://kurokoda64213.com/archives/26043357.html

第8話「誠十郎、精一杯の切実」
https://kurokoda64213.com/archives/26206847.html

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