地獄の業火が我が家を焼やしている
ファルディアは何かを大きく叫びながら号泣していた
業火は全てを焼き尽くす
何もかも
壁も屋根も家具もそして人もだ
頬をつたう涙が地についた膝を濡らしていた

ファルディアは突然目が覚めた
自分は泣いている?何故?
ファルディアは夢を覚えては居なっかった
というより大きな感情が全てを脳から排除する
プーカの野郎だ
プーカがファルディアの髭をライターで燃やしている
アチッ
その言葉が終わるや否やファルディアは怒声をプーカに浴びせた
そしてプーカ
「や~~っと起きた。何してんだよー!」
その瞬間、冷静になるファルディア
周囲を見回すと
暗い窓から入る月明かりに誠十郎の寝顔が見える
「まだ夜じゃねーか!何してんだよ。じゃねーだろ。寝てんだよ💢」
その時、誠十郎の目が開いた
驚くファルディア。リンボーダンスを踊りだすプーカ
ファルディアは気付いて
「誠十郎。トイレに行きたいんじゃないか?」
と呟く
誠十郎は何やらゴソゴソとそして何度も寝返りをうって誤魔化そうとしている
が、一向に尿意は無くならない
ファルディア
「そこで小便しちゃえ!トイレに行くのは面倒だしな」
プーカ
「早くトイレに行きなさい。洩らすと後が大変だぞ」
ファルディアは生きてた頃の事を思い出す。寝てる時にはよくやったものだ
と感傷に浸って・・・
「え!!!」
プーカを見た
初めてまともな事を言ったんじゃないか?
今日はおそらく何か悪い事が起こるに違いない
ファルディアはそう確信する
誠十郎は仕方なくトイレへ向かった
「おっ前。初めてまともな事を言ったな」
ファルディアは驚いた表情から戻れなかった
プーカはその言葉に怒った
「なにー!!俺はいつでもマトモだろう!」
フリをした
ファルディア
(ヤッパリこいつは気に食わん)
プーカの観察するかのような目つきが気になる
(やはり、何かを知っているのでは?)
ファルディアは睡魔に敗けている最中にそう思った



第1話「天使プーカとの出会い」
https://kurokoda64213.com/archives/25744634.html

第2話「天使の夜道」
https://kurokoda64213.com/archives/25767152.html

第3話「スパイする天使」
https://kurokoda64213.com/archives/25768305.html

第4話「プーカの正体」
https://kurokoda64213.com/archives/25843251.html

第5話「逢引き」
https://kurokoda64213.com/archives/25855711.html

第6話「優しい誠十郎」
https://kurokoda64213.com/archives/25987840.html

第7話「スクールヴァルナの誠十郎」
https://kurokoda64213.com/archives/26043357.html

第8話「誠十郎、精一杯の切実」
https://kurokoda64213.com/archives/26206847.html
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