1973年生まれのまる男は小学校1年の頃から、ある理由でプロも通うボクシングジムで学校以外、ボクシング漬けだった。そして、中学校、友達に誘われて野球部に入る。運動神経は怪物だけど、常識のだいぶずれた少年と少し奥手な仲間たちの物語である
角郎は「 少公女セーラ」を読んでいた。少し涙目だ。
「どうした?角郎」
まる男は心配そうに尋ねる。
「いや。この本がな…」
角郎が口よどんだその時
垂也が横から口をはさむ。
「このセーラって娘。可憐で良いよな。でもイジメるなんて孤児院ってところは、そんなに非道い所なのかな?」
それを聞いてまる男はムキになった。
「俺のオバサンが孤児院で働いているけど優しいぞ。親に虐待された子を助けたとか言ってた。だいたい孤児院が悪いなんてイメージのせいで助からない子供がいるとか言ってたぜ!!」
まる男は机をドンと叩いた。
それを見て麻子が隣で髪をとかす親友の由美に小さな声でささやいた。
「まる男って時々社会派だよね~」
由美は少しニヤけて叫んだ。
「まる男〜!社会の窓が開いてるって麻子が言ってるよ〜」
安心してほしい。まる男のズボンのチャック(社会の窓)はすぐに閉められた。
ただクラス中にチャックが開いている事実を知られたことは角郎だけは知らない。
秋晴れ続く空に雲がかかってきた。角郎の気持ちのように雲がさす。
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