1973年生まれのまる男は小学校1年の頃から、ある理由でプロも通うボクシングジムで学校以外、ボクシング漬けだった。そして、中学校、友達に誘われて野球部に入る。運動神経は怪物だけど、常識のだいぶずれた少年と少し奥手な仲間たちの物語である


麻子は朝から不機嫌だった。昨日友達たちに披露したコップが子供っぽいと笑われたのだ。フランダースの犬のネロとパトラッシュの描かれたコップだった。月の小遣いの半分出して買ったのに、だ。

少しのどが渇いたので水を飲みに行く。不評とは言ってもお気に入りのコップで飲む麻子。

そこへまる男が隣で水を飲み始める。直飲みだ。

まる男も子供っぽいと馬鹿にするんだろうな。

「おー。麻子。いいコップ持ってんな。可愛いなー。」

まる男が唐突に言った。笑顔が広がる麻子。

「そういう風に褒め上手なのがまる男のいいところだよね。」

麻子は上機嫌で教室に帰った。


まる男も上機嫌になった。

麻子に褒められた。

そうか、コップを褒めると麻子から褒められるのか。

それから一週間、まる男は色々な人のコップを褒めるのであった。

春の陽気が暖かく、冬の寒さを忘れられる一週間であった。

まる男156